ホットクックでシャキシャキもやし炒めを作る
ホットクックの「炒める」モードで野菜炒めを作ったときに
結構水が出てベチャベチャになっちゃったな...
そう感じたことはありませんか?
今回はこの原因をロジカルクッキングの観点で解説し、特に水っぽくなることの多い「もやし」を使って、ベチャベチャにならない、シャキシャキのもやし炒めを作る方法を紹介します。
材料/2~3人分
もやし
1袋(200g程度)
サラダ油
大さじ2
鶏ガラスープの素
後程計算
黒胡椒
お好みで
作り方
- ホットクックの内鍋にもやしとサラダ油を入れ、もやしにまんべんなく油がいきわたるよう、よく和える。
- 内鍋をホットクック本体にセットし、[手動で作る] → [好みの設定加熱] → [弱火] → [たまにまぜる] → [6分] → [スタート]で加熱。
- 加熱が終わったら、キッチンペーパーで鍋底の余分な油と水分を拭き取る。
- 加熱後のもやしの重量をはかり、塩分濃度が0.8%になるように鶏ガラスープの素の量をはかる。
- 鶏ガラスープの素、お好みで黒胡椒を加え、よく和えたら完成。
野菜炒めがベチャベチャになる3つの原因
ホットクックで野菜炒めを作るとなぜベチャベチャになるのか?
料理科学研究家/水島弘史シェフの著書の内容をもとに、その原因を考えてみました。
『強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!』(水島 弘史):講談社+α文庫 製品詳細 講談社BOOK倶楽部
「料理の常識」は根拠のない思い込みだらけ! 強火で肉を焼いても、うまみはとじ込められない。家庭のコンロは「火力が強すぎる」。野菜を弱火で炒めても水っぽくならない……気鋭のシェフが研究を重ねて辿り着いた、科学的調理術はシンプル。 1.火のルール 2.塩のルール 3.切り方のルールたった3つのルールで美味しくなる! …
1. 火力が強すぎる
ホットクックの「炒める」モードは、「強火で加熱し、沸騰後にまぜながら更に指定した時間加熱する」というものであり、これがホットクックで野菜炒めがベチャベチャになる一番の原因です。
野菜の細胞壁は「ペクチン」という食物繊維の膜で覆われており、このペクチンは70〜75℃に達すると分解され、中から水分がしみ出てきます。
この温度帯を強火で駆け抜けると、細胞壁が一気に破壊され、水分も一気に流出してしまいます。
「炒める」というと強火であおって作るイメージが強いですが、家庭料理では弱火が基本。それはホットクックにおいても同じです。
「炒める」モードがあるんだから、そりゃ使うでしょ
そうです。だからベチャベチャになるんです。
2. 油が回っていない
野菜の表面が油でコーティングされていると、加熱しても水分が逃げにくくなります。
しかし十分に油が回っていないと、油の付いていない部分から水分が流出しやすくなります。
「炒める」モードは沸騰してからまぜはじめるため、材料を入れるだけでホットクック任せにしていると、食材の表面に油がまわっていない状態で加熱を進めることになります。
材料全部入れて、スイッチオンでほっとくだけでできるからこそ「ホットクック」!
そうなんですが…
だからベチャベチャになるんです。
3. 加熱前に味付け
野菜の水分は塩による浸透圧でも流出します。
早い段階で味付けをするとその分、水分が流出してしまいます。
材料全部入れて、スイッチオンでほっとくだけでできるからこそ「ホットクック」!!!
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シャキシャキの野菜炒めを作る方法
上述した3つが主な原因ですので、その逆をすることで、みずみずしく、シャキシャキとした歯応えの野菜炒めを作ることができるわけです。
1. 弱火で調理
弱火でゆっくりと70〜75℃を通過させると、水分の流出を抑えることができます。
2. 油でコーティング
加熱前に野菜の表面をまんべんなく油でコーティングしておくと、水分の流出を抑えることができます。
3. 加熱後に味付け
なるべく食べる直前に味付けをすることで、浸透圧による水分の流出を最小限にします。
もやし炒めの詳細
これら3点を意識しながら、野菜の中でも特に水っぽくなることの多い「もやし」を使って、ホットクックでもやし炒めを作ってみます。
下処理
ホットクックの内鍋にもやしを入れます。
面倒なので私は袋から直接使いますが、ニオイや食感が気になる方は水洗いしたり、ヒゲを取ったりしてください。
その上にサラダ油を回しかけ、
もやし1本1本ににまんべんなく油が行きわたるよう、よく和えます。
油が多めですが、余分な油は途中で拭き取るため、この時点では多少多めでも大丈夫です。
加熱
内鍋とまぜ技ユニットをホットクック本体にセットし、
で加熱を開始します。
「炒める」モードが沸騰してからまぜ始めるのに対し、「好みの設定加熱」だとスタート直後からまぜてくれます。
最初からまぜてくれた方が加熱ムラが最小限になります。
また「炒める」モードで「6分」と設定した場合には、沸騰してから更に6分間まぜながら加熱しますが、「好みの設定加熱」で「6分」と設定した場合だと、スタートから6分で加熱が終了します。
(※ホットクックは「KN-HW24F」を使用しています。)
加熱が完了したら蓋を開け、キッチンペーパーで鍋底の余分な油と水分を拭き取ります。
味付け
最後に味付けをします。
味付けももちろん、ロジカルクッキングの考え方で。
塩分計算アプリ oishio を利用して、全体重量の0.8%の塩分濃度になるよう計算して味付けしたいと思います。
iPhone / iPad アプリ
oishio - 調味料の適量を計算 |
まずは、加熱後のもやしの重量をはかります。
内鍋を含めた重量は891gでした。
※内鍋が熱くなっているので気を付けてください。
またキッチンスケールが故障しないよう、シリコンカバーや鍋敷きなどを間に入れて計量してください。
内鍋ごとはかった重量をoishioに入力し、画面左の鍋のボタンをタップします。
表示されるリストの中からお使いの内鍋をタップし、内鍋分の重量を引きます。
加熱後のもやしの重量は211gでした。
続いて調味料の量を計算します。
今回は鶏ガラスープの素で味付けをすることにしました。
塩分濃度は0.8%として、鶏ガラスープの素の適量が計算できました。
鶏ガラスープの素の重量をはかり、
内鍋に鶏ガラスープの素を入れ、お好みで黒胡椒をふり、
よく和えます。
なお、食材がもやしだけなので「うま味要素」が欲しいと思い、私は今回、鶏ガラスープの素で味付けすることにしましたが、
- 醤油+ごま油
- オリーブオイル+にんにく でペペロンチーノ風
- シンプルに塩胡椒のみ
など、色々おいしそうな組み合わせが考えられると思います。
oishioを利用して好みの塩分濃度にすれば、どんな味付けでもおいしくなります。
あなたなら、どんな味付けにしますか?
[塩分計算アプリ] oishio - 調味料の適量を計算
「料理の塩分濃度が0.6%~0.8%であれば、だいたいの人はおいしいと感じる」と言われています。しかしながら、「0.6%~0.8%の塩分濃度」になる調味料の量を求めるにはかなり面倒な計算が必要になります。oishioはこの面倒を解決するiPhone/iPad用アプリです。
完成
お皿に盛り付けたら完成です。
出来たてはもちろん、冷めてもシャキシャキのままです。
「ほっとくだけ」とはいきませんが、ちょっとした手間をかけることでベチャベチャでないもやし炒めを作ることができました。
ホットクックでも作り方次第で、もやし炒めがシャキシャキに。
よろしければ一度お試しください。